AIファイナンス応用研究所

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研究

量子アニーリングに着想を得た新しいインデックス運用の改善方法について

当研究所は株式会社NTTデータと2018年8月に量子コンピュータの金融ビジネスへの適用検討において協業する合意を結び研究を続けてきました。
そして、共同研究の成果を『Quantum-Inspired Weighting Approach to Correlation Diversified Passive Portfolio Strategy』というタイトルで論文化し、SSRNに公開しました(2019年11月18日)。

https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3487195

論文「 Abstract 」部分の和訳

【論文の要点】
この論文では、パッシブ・ポートフォリオ戦略の代表的手法であるインデックス運用を量子コンピュータの並べ替え機能にヒントを得た新しい手法によって改善することを提示する。この方法では、元のインデックスを構成する各資産のウエイトを資産の並べ替えの情報をもとに調整する。この並べ替えは、他の多くの資産と強い相関関係がある資産が順列の中心部分に配置するように行う。順列の数は膨大になる可能性があるため、最適な順列を見つけることは一般に困難であるが、われわれは計算の困難さを克服するために、量子に着想を得た新しいテクノロジーを導入する。並び替えた順列のセンター領域に配置された資産のウエイトを減らすことによって、元のインデックスより分散され優れたリスク・リターン特性を備えたポートフォリオを構築することが出来る。この方法の有用性を調べるために、われわれはダウ平均指数の30銘柄とTOPIXの33のセクター指数を使って数値実験した。提案された方法によって構築されたポートフォリオは元のインデックスと非常によく似た動きをする一方で、より低いボラティリティで高いリターンを達成するという実験結果を得た。

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